「平山警部ー」


「ん?何だ」


平山警部は足を止めてあたし達を見た。


「現場を見せて下さい」


「もう見たじゃないか」


「もう1回です」


「駄目だ」


「何でですか」


「なんでもだ」


……なんと。


現場を見せてもらえないとは予想外だ。


普通、あたし探偵だから見せてもらえるのに。


頑張って交渉してたら、事件が起きた美衣奈さんの部屋に着いていた。


「ホラ、目の前に部屋があることですしっ」


これなら入れる。


「……百歩譲って、鑑識が調べて終わってからだ」


平山警部……頑固だ。


鑑識の邪魔になると思ってんのかな。


あたし達、高校生なのに。