しばらく家までの道のりを一人で歩いていたのだけれど。



『ちょっとちょっと、そこのカノジョー!』

『超可愛いじゃんっ!一緒に遊べばね~?』



さっきからずっとしつこい、この2人の男にあたしは付きまとわれている。



「…」


もちろん、叫心オンリーのあたしは無視。


だけど、それも逆効果みたいで2人組の男達は更に付きまってくる。





はぁ~…。


何であたしってこう絡まれるんだろ…。
別に誘ってる格好だってしてないし、軽そうに見える化粧だってしてないのに…。



でもこんな時…いつも叫心が助けてくれてたんだよね。



だけど、今そんな事起こるハズないよね。
だって今頃はきっと部活で頑張ってるに違いないし…。





奇跡みたいな事…起こるハズないよね…。







『ねぇー!返事くらいしよ~?』

『あんまり冷たくすると、可愛くないよ~?』

可愛くないって失礼ね!
別に、叫心にだけ可愛いって思われたらそれで十分だもん!




2人組の男達の内、一人はあたしの前に立ちふさがり、もう一人はあたしの腕を掴んだ。






「や、やだ!やめてよっ…」

『やーだね!』


『無理無……"バキバキッ!!!!"』





その鈍い音がしたのは、あたしが必死に男の腕から逃れようとした時だった。





「お前ら、女を無理矢理…なんて考えてるんなら…殺すよ?」



不意に後ろから、どこかで聞いた事のある…

でも聞いた事のない声がした。





その声の主はあたしの背後から現れたため、あたしは何が何だか分からなくなっていた。




ただ見えているのは、さっきあたしに絡んでいた2人組が走って逃げ去る姿。




「…?」



あたしは、とにかくゆっくり気持ちを落ち着かせ



後ろへと振り向いた。