「…麗奈と笹岡、今の様子じゃ上手くいったみたいね?」
愛が微笑みながらそう言ってくれる。
「へへっ!…あの後色々あったけど、叫心がちゃんと守ってくれたよ?」
「良かったね。これで、笹岡にあんたを任せることが出来るよ」
そう言って笑う愛は、本当にお姉ちゃんみたいでなんかすごく幸せな気持ちになった。
本当に、愛がいてくれてよかったって心から思ってるんだよ?
「あたしらも、教室行こっか?」
「うん!」
愛が靴を履き終えると、あたし達も教室に戻ることにした。
「よっす!麗ー奈ちゃんっ」
教室に着くと、何故か暁羅があたしの席の前でスタンバイしていた。
「暁羅…?何してんの?」
「いや~…、お誘いに来たんだっ!!!」
暁羅のその一言にあたしは思考回路が一端ストップした。
…お誘い?
いったい何の!?
「どーせ、麗奈の事だからクリスマス独りなんじゃね?」
「ク…クリスマス…!?」
いやいや…、ちゃんと予定入ってる…つもりだし…
一緒に過ごす人も
叫心っていう、素敵な人がいるんだけど…?
あたしは、まったく暁羅の言葉が理解できなかった。
「佐野!あんた寝ぼけてんの?」
そんな意味不明な暁羅に、愛の激しい突っ込みが飛ぶ。
「…?、松本になんでそんな事言われなきゃなんねぇんだよ」
暁羅は首を傾げる。
そんな暁羅に愛は、ふぅっとため息をついて
「麗奈と叫心付き合ってんのよ?クリスマスは予定ありに決まってんでしょ」
淡々とそう言った。