「…大丈夫か?」
長塚さんと話し終わった後、叫心はあたしのもとへ来て優しく微笑みかけてくれた。
「…うん。ちょっと怖かったけど、全然大丈夫だよ」
「そっか。なら、良かった」
叫心はそう言って笑ってるけど、大丈夫なのかな?
叫心はあたしを助けたことで、あたしと付き合ったことで…周りから、何か言われてないのかな?
叫心はそんなあたしの気持ちを察してくれたのか、
「…お前の心配するようなことは、何もないから。あんま気にすんな」
と言って、あたしの頭を優しく撫でてくれた。
「…俺の存在忘れてる?」
はっと聞こえた小林君の声であたし達は我に返る。
「…雄大…。もっと気使えよな…」
はぁ~っとため息をつく叫心。
「そんな事言わなくったっていいだろー!」
学校の玄関で、あたし達の話す声は大きく周りに響く。
「朝っぱらからうるさいよ~?」
すると、急に後ろから登校してきた愛が苦笑いを零しながら、玄関に入ってきた。
「麗奈。俺らもう行くわ」
愛が来たのを確認したのと同時に、叫心はそう言ってまだ何か言ってる小林君を連れて、教室へと向かって行った。