ちょうど、3人で楽しく話しながら学校へ到着。そして、ちょうどその時。




「た、高橋さんっ…!!!」


名前を呼ばれてそっちへ向いた。





そして、そこには今さっきまで話題にあった長塚さんの姿が。


「長塚さん…」

「…あ…あのさっ…」





…どうしたのかな?
…まだあたしに何かあるのかな…


今度は叫心と別れて…とか言うのかな?




まだ長塚さんからの恐怖が無くならない今、あたしにはマイナスな事しか考えられなかった。


だけど、長塚さんから出た言葉は、すごく意外なもので拍子抜けしてしまった。




「…その…、…ごめ…んっ!!」


「へ?」


「…今更かもしれないけどさ…、やっぱりあたしのした事は卑怯だった…よね」

「…」

「…だけど!!!…認めたわけじゃない…から!」

「!?」

「…あんたが、…相応しくならないんならまた…あたしが笹岡君の事…狙うから!!」





あたしの心境は複雑で…、いつ叫心に相応しい女になれるかなんて。


そんなの、見当もつかない。



もちろん、今だって自分が叫心に相応しいなんて思ってないよ。


でも……自信はあるんだ。






あたしはそれまで閉じていた口をゆっくりと開けて…







「…相応しくなれるかなんてわかんない。


だけど…叫心を大好きだっていう気持ちは…変わらない…それだけは負けないよ」







長塚さんを見据えてそう言った。







そう。




あたしはずっとずっとこの先も叫心しか見えない。

それだけはあたしが胸を張って言える自信。




「…そんなの…当たり前でしょ…。…約束…だからね。…それじゃ…」



長塚さんは微かに笑って、静かにあたし達の前から去って行った。