「てゆーか、お前ら朝から熱くね?」



小林君は拗ねたように少し先を歩く。



「あれ、小林君は彼女居なかった?」

「いねーよっ!いつでもフリーなのが俺の良いところだからな」

「自慢するとこじゃねぇじゃん」

「ふん。叫心は彼女出来たからって……」



とブツブツ言う小林君は何だか面白くって、あたしは笑ってしまった。



「なっ?!高橋まで笑うなよー!!」

「ごめんごめんっ!気になる子とかいないの?」

「気になる子かぁ…。何か面白いとかは感じるんだけどな~…」


「雄大ってさ、仲良くなるのはすげぇ早いよな」

「ま、ねー!特技でもあるかな、それは!」




「じゃあ~…長塚さんとかはっ?」




あたしがそう言った瞬間、叫心は驚いた様子であたしを見た。




そして


"お前長塚に何されたか覚えてんの!?"




口パクで必死に言う叫心。




…そりゃぁ…覚えてないって言ったら嘘になるけどさ…



やっぱり長塚さんって可愛いじゃん。


それに、長塚さんと小林君じゃクラブで一緒だし、お似合いだなって思って…。




だけど、叫心のあの焦りようからして、長塚さんの一件を小林君には話していないみたいだ…。






それじゃ、ちょうどいいじゃんっ!



小林君に紹介しやすいっ!






あたしは嬉しくなって、小林君にもっと長塚さんを勧める事にした。