「笹岡君って、女子と滅多に話さないから…あたしに話しかけてくれたことが本当に嬉しかったの」
「…」
そうやって話す長塚さんは、やっぱり女の子だ。
男の子に恋をする、女の子だ。
「ま、どうせいつも笹岡君につきまとってたあんたになんか、分かるわけないわよね」
「…っ…!!」
「あたしは、本当に好きだった。大好きだった」
「それは、あたしだって…!」
と、反論しようとすれば長塚さんは鋭い目つきであたしを睨みつける。
「違う、違うのよ!あんたの好きと、あたしの好きじゃ…重みが違うの…!」
頭を横に振りながら。半ば、自分に言い聞かせてるかのように、叫ぶ長塚さん。
だけど、重みってなに?
あたしの好きとどう違うって言うの?
「あんたなんて、ただの遊びなんでしょ!?」
「それは、違う!絶対にこの気持ちにウソなんてない!」
「うるさい!」
長塚さんが、さらに強い口調であたしの言葉を遮る。
もう、あたしの日ごろの行いが悪かったのかもしれないな。
きっと、恋の神様があたしにバツを下してるんだ。
元から、好きになっちゃダメな相手だったのかもしれない。
すごく、嫌。
悔しいけど。悲しいけど。
本当に、諦めなきゃいけないのかもしれない…。