暁羅が意味深な言葉を残して帰ってから、何時間かはあっという間に過ぎた。
そして辺りはいつの間にか薄暗くなり、グランドからは野球部や、テニス部。
そして、サッカー部の部活を終える挨拶が聞こえてきた。
「麗奈、今日も笹岡に帰ろって誘うんでしょ?」
「もちろんっ!今日は部室に突撃訪問するつもりー!」
この前みたいに、部室の近くで待ってたらまた、長塚さんに会ったりしたら…。
嘘かどうか分かんない事言われるかもしれないし…
「…あんた、自分が女ってのを忘れんじゃないわよ?」
「へ!?忘れてないけど!?」
愛が珍しく感情的になって言うもんだから、ちょっと驚いちゃった。
「…忘れてなかったら、普通男しかいない部室に行かないわよ!!」
「分かってないなぁ!愛ちゃん。そこに叫心がいるのなら、あたしはどこにでも行けちゃうんですー!」
ニッと笑って答えると、愛は大きなため息をついて、
「…はいはい。じゃあ、あたしは帰るね?」
そう言って立ち上がった。
「愛、ほんとにいつもいつもありがとね?」
「いーって事!」
「さっすがー!愛ちゃん、バンザーイ!」
「持ち上げても、なんにもでませんけどー」
「今くらいしか、愛ちゃんのこと持ち上げませんけどー?」
お互い冗談を言い合って、笑いあって、ふざけあう。
「ま。とりあえず頑張りなさい!」
「はーい!ありがとー!」
「おうっ。じゃ、また明日ね」
「ばいばーい!」
愛とあたしはその場でバイバイをして
愛は校門へ。
あたしは叫心のいる部室へと向かった。