「あ、暁羅よりマシだもんっ!」
「あ?何で?」
「暁羅なんか、常に女の子の追っかけしてんじゃん!」
あたしも、負けじと暁羅に言い返す。
暁羅も暁羅で口が上手いので、そう簡単には負けない。
「バカ。反対だよ!女の子が俺の事追っかけてんの!」
「「はあ~!?」」
あたしと愛は同時に、暁羅の自意識過剰発言に大きく驚いてしまった。
まず、いつも目撃するのは暁羅が女の子にひっぱたかれてる修羅場。
女の子に囲まれてるところなんて見たこともない!
「暁羅…、そんなんじゃ絶対まともな恋愛出来ないよ~」
「てゆか、いつか飽きられんじゃないの?」
「今は、やっぱり叫心の時代だよ!」
「元から、佐野の時代なんか無いしね」
あたしと愛から批判の嵐を受け、暁羅はだいぶ怯んだようだ。
顔は、大きなショックを受けている事を隠せないくらい、青ざめている。
「う、うるせぇーぞ!俺だってなぁ…ちゃんと片想いしてんだ!」
暁羅は半ばやけくそにあたしと愛に向かって叫ぶ。
その発言に、隣にいた女の子もびっくりしている。
だけど、その言葉であたし達がおとなしくなったことが妙に気持ちよかったらしく。
暁羅はその彼女かもわからない女の子と颯爽と歩いて行ってしまった。
「へぇ~。暁羅が片想い…」
「ちゃんと恋してんだ…」
「「…ってええー!?」」
あたし達はまたもやタイミング良く、声を上げた。
い、今暁羅…な、ん、て!?
"片想いしてんだ!!"
片想い…?!
あ、あの暁羅が?!
あの女好きで女たらしで…
女のケツばっか追いかけてる暁羅が?!
し…信じられないよ~~!!