「お前ら2人そろって叫心の追っかけかよ?」
後ろから急に、久しぶりに聞く声の主に話しかけられ
あたしと愛は振り返った。
「あ、暁羅!」
「うげ…佐野じゃん…」
「ちょっとちょっと!!麗奈は普通として、松本…何だよその反応!」
「ウザいな~。こっちこないでよ!佐野は一生女の尻追っかけてな」
さすが愛!
その一言で、あのしつこい暁羅を一撃でノックアウト!
「ひでーなぁ!なぁ、麗奈?」
「愛に同感だな~!」
「麗奈までひでぇ!!」
暁羅は、ワザとだと思うけど。瞳にウルウルと涙を溜めてあたしに訴えてくる。
暁羅と、こんな風に楽しく会話するのは
別れてから初めてかも…!
付き合う前も、すごく楽しかった。
いつも面白くって、気使いもすごく上手で…、そんなとこを好きになっちゃったんだよね…
別れても気まずくならないのは、多分暁羅だけだと思うな。
「で、マジで叫心の追っかけしてんの?」
「あたしはしてないけど、麗奈がしてんの」
ちょっとちょっと愛さん?!
追っかけっていう事を、認めるんですか?!
しかもあたしだけ?!
いや、そりゃ…こんなとこで毎日毎日応援してたら追っかけになるけど
だからって…
そこまで言わなくってもぉー!!