「あ、わりぃ…!!」
ボールを追いかけてこっちに来たのは、叫心だった。
「叫心!…あ、はいっ!!」
「…さんきゅっ!!」
あたしが投げたボールを、叫心は器用に足で受け止めた。
「叫心…す、すご~い!!」
初めて見るその技にあたしは、すっかり小さい子供のように感動してしまった。
「…そんなにすごいか?」
叫心はおかしそうに、クスクス笑っている。
「すごいよ!!すごいっ!!あたし、そんなの絶対出来ないもんっ」
「…お前もやってみる?」
叫心から、ボールをパスされた。
「え…でも…!!」
愛の方を振り向くと
「あたしはい~から、楽しんできなよ」
そう言って携帯を触っている。
そっけない言い方だけど、これが愛なりの優しさだってすごくよく伝わった。
ありがとね!!愛っ!
「…じゃあ、やるっ!」
「スカートで出来んのかよ?」
「中にちゃんと履いてるから大丈夫!!」
あたしは、ボールを持ってさっそく
叫心がさっきしたみたいに、ボールを器用に扱おうとした。