「麗奈…、あんたもしかして…」


愛はあたしの教科書を見て、何か感付いたように言う。


「…」


あたしは気まずくなって、俯く。


「やっぱりイジメられてたの?!な、何で言わないわけ!?」

「…だって、証拠が全然なかったから…」

「でも、麗奈は感付いてたんでしょ?」


「……ごめん…」

「っ…!!もう、何で早く言わなかったのよ…!」


愛は少し怒ったように顔をしかませる。


「心配させたくなかったんだもんっ…」

「…だからって…」


愛はため息混じりにそう言った。







「…あたしら友達じゃん?」



愛のその一言で、心が一気に軽くなった気がした。

心が何かで包まれ、とても大きな力で守られるような気がした。









「…てゆか、笹岡に言わないの?」

「な、何で叫心に?!…関係無いもん…」


「でも、…言った方が良いよ!!」

「ダメ!!叫心に迷惑かかるから!!」


それに関係ない叫心に迷惑かけるわけにはいかないし。



「じゃあ、長塚に何か一言言ってやろうよ!!」

「え?!…長塚さんって…何で?!」

「…あんたバカ?…こんなのするの、長塚しかいないと思わない?」

「…だって長塚さんがしたなんか、分かんないよ?」

「…あんたと同じで、長塚も笹岡が好きなんだよ?…そりゃ妬んで嫌がらせもするわよ…」



…長塚さんが…?

やっぱりそうなのかな…?

…でも、確実な証拠がないんだもん…!!


自信ないよ……




…どうしたらいいのか、全然分かんないよ……!!