「…はぁ~…」
翌日、あたしはトボトボと学校までの道のりを歩く。
結局昨日は、叫心と会わずじまいに…。
サッカー部の練習が終わってから、そう時間は経っていなかったハズ。
それにもし叫心がめちゃくちゃ急いで着替えたとしても、追い付くハズ…
だって、あたしだってすごく急いで追いかけたよ?
なのに、姿一つ見えなかったって
…どういう事…?
「麗奈~?あんた、朝っぱらから何、沈んだ顔してんのよ?」
「…愛~」
振り返れば愛がいた。
愛は、首を傾げながらも"おはよう"と言った。
「昨日も笹岡の事、待ってたんでしょ?」
「うん~…」
「一緒に帰ってないの?」
「…それがさぁ…」
あたしは、ゆっくり自分達の教室に向かって歩きながら
愛に昨日の事を話した。
「…そりゃ絶対嘘だわ。長塚め!!」
愛は自分の机の上に鞄を置いて、自信満々に言う。
「…でも…、何で嘘つくの?」
「そりゃ、笹岡が好きだからじゃない?」
うぅ~…
やっぱりそうだよね。
きっと長塚さんは、気に入らないんだよね…
彼女でもないあたしが叫心に馴れ馴れしくするのが。
あたしも長塚さんの立場だったら
自分にライバルがいるなんて、すごく嫌だもん…