サッカー部の練習も終わって
あたしは今日も叫心と一緒に帰ろうと思って、サッカー部の部室のちょっと近くまで来てみた。
男だけの部活ともあり、部室の中の盛り上がり方は結構騒がしかった。
「…高橋…さん?」
部室から少し離れた場所で叫心を待っていると
後ろからサッカーボールを片付け終わった長塚さんがでてきた。
「な、長塚さんっ!」
「誰か待ってるの?」
近くではっきり見る長塚さんは
やっぱり細くて可愛くて…モテるのが分かるような気がした。
「き、叫心…を…待ってて…」
「笹岡君…?そうなんだ。最近仲良しだよね。付き合ってるの?」
…ドキン…
嫌だ。
付き合ってるって言いたいのに
言えないのがすごく嫌…
「…付き合ってないに決まってるじゃんっ」
「付き合ってると思ってた!!」
横目であたしを上から下まで一気に見下ろしながら話す長塚さん。
「…あはは…」
気まずくてしょうがない。
それに何か…長塚さん…
話しにくいなぁ…。
「でも、笹岡君さっき急いで帰ってたよ?」
「え?!本当に!?」
「うん!!今から追いかけたら追い付くんじゃないかな?」
「そっか!!分かった!!長塚さん、ありがとう!!」
あたしは、長塚さんに軽く会釈して
校門を飛び出した。