放課後
あたしは、サッカー部がよく見える場所で
ボールを蹴る叫心の姿を目で追っていた。
今日から、あの秘密の教室で応援しなくていいんだ。
叫心がよく見えるこの場所から
応援していいんだ…!!
そう思うと胸は嬉しさでいっぱいになって
応援も自然どいつもより大きな声で応援していた。
「叫~~心っ!!!」
大きな声で、名前を呼ぶど
顔を真っ赤にして振り返ってくれる叫心。
そして絶対口パクで
"恥ずかしいだろ!!"
そう言うんだ。
あたし以外の応援に反応しない叫心が
あたしの応援に反応してくれるのは
正直死ぬほど嬉しい。
だけど、ただ一人。
叫心といっぱいしゃべって
叫心の傍に一番近くにいるのは
長塚さん。
…マネージャーだからしょうがないのかもしれないけど
よく見たら、叫心にだけタオルや、ドリンク
時には応援もしているみたいだ。
それに叫心も嫌そうな顔一つしないで
笑顔で接してる…
あたしの時には
すごく怒るのに…
やっぱり、叫心の好きな人って
長塚さんじゃないのかな…?
どう見たって、2人お似合いだし
思いあってるようにも見える。
もし、叫心の好きな人が長塚さんなら
…あたし勝ち目ないじゃんかあ~…。
ばかばかばか!
叫心の浮気モノ~!!
「きょ~しんのバカやろー…」
楽しそうな顔でサッカーをする叫心に
あたしは聞こえないようにそっと呟いた。