自販機でジュースを買い終わると、俺は急いで高橋の元へと走る。


だけど、もっと急いだ方がよかったみたいだ。



高橋は、あの時と。
俺らが初めて出会ったときと同じように、変なヤンキー達に絡まれていた。



「くそ、またかよっ…!」


俺はさらに足を速めて、高橋の元へと急ぐ。



あの時と、状況は全く同じで。

高橋は、一人の男に腕を掴まれ、どこかに連れて行かれそうになった。




これじゃだめだ。
間に合わない。



咄嗟にそう思った俺は、持っていたジュースを上にヒョイッと投げるとそのまま降りてきたジュースを思い切り蹴り飛ばした。




すると、見事に高橋の腕を掴んでいた男の急所にクリーンヒットした。






そいつがそのグループのボスだったみたいで。


後の数人はたやすく倒すことができた。







手っ取り早くナンパ野朗達を片付けると、俺はすぐさま高橋の元へと駆け寄る。



「だ、大丈夫か!?」

「あ、うん!…」


と、言いながらもやはリ怖かったのか少しだけ体が震えている。



もうちょっと来るのが早ければ。
怖い思いをさせずにすんだのに。




俺は、自分に激しい憤りを感じた。