「絶対季節間違ってるって!!」


「え?」


アイスクリーム屋に向かう途中に呟く俺に対して、高橋はキョトン…としている。

まあ、可愛いですけど。


「そんな事言って~!!叫心も食べたいんでしょ?」

「バカ?」

真顔でそう言ってしまうほど、今の発言にはびっくりだ。


「むぅっ!!もういいもん。一人で買いに行くから!」


高橋は、俺の発言に少し頭にきたのか。
少し頬を膨らませながら、そのアイスクリーム屋に向かっていく。


俺のこと置いてけぼりなんですけど。






『いらっしゃいませー!!』


「あ、ダブルチョコレートひとつください!」


高橋は嬉しそうに注文をしている。
しかもチョコレートをダブルで頼んでいるとこなんて、可愛らしくてしょうがない。

そんな姿に、俺は思わず笑みを零してしまう。




『はい、ありがとうございます!!』


高橋は出来上がったアイスを持って、お金を払おうとした。





「あ、すいません。こっちでお願いします」




だけど、それを俺が遮り、俺のお金を差し出した。





ちょっとくらい、かっこつけさせてくれよ?
プリクラの時は俺が拗ねてみっともないとこ見せちゃったし。


やっぱ、どっかでかっこいいとこ見せないと。