「っ…お前!!早くはがせっ」


恥ずかしながらも、俺は顔を真っ赤にしながら叫ぶ。



こんなもん、誰かが見たら絶対いい笑い話になる!

美女の隣に、豚が映ってるようなもんだって!



「やだよ!!せっかく貼ったのに、もったいないじゃん!!」


「…だからって普通携帯に貼るか!?」

「貼る~!」

「~~……!」


ダメかも。
このコには、何を言ったって通じないのかも。


高橋は、意外に頑固みたいで。
決して剥がそうとはしなかった。



「まあ、いいじゃん、早く行こっ?」


よくねぇ~!
どっちかというと、やめてくれ~!





「行こって、どこ行くんだよ?!」


「えへへ~。さっき見つけたんだっ」


高橋は俺にそれだけ伝えると、行き先も告げずに店をでた。



















『アイスクリームはいかがですか~?』




高橋が連れてきたのはとある公園によく売りにくるアイスクリーム屋。


「…お前、季節わかってんのか?」


俺が少し飽きれ気味にそう言うと、


高橋は、叫心ってば頭固い~!なんて叫びながらその店に走っていく。



頭固くて、悪かったな!

だけど、今の季節ほんとによく考えてみてくださいよ。



半そでで歩くとかなり寒いと感じる。
ちなみに俺らは制服にカーディガンを着ている。


そんな季節なんですよ?



俺は、走っていく高橋を追いながらも、しみじみそう思った。