「ところで」

ゴホンっと、玲さんが本題に入ろうとして咳払いをする。

ドキン…と、あたしの心臓は高鳴る。
どうしよう。どうするべきなのかな。真実さんのこと、玲さんに相談するべきかな?


でも、あたしの単なる勘違いかもしれないのに。


「麗奈ちゃん。どうして今日はそんなに元気ないのかな?」

「……」

「叫心、麗奈ちゃんに何かした?」


「したなら俺が家帰って、お尻ぺんぺんしまくるよ?」と腕をまくりながら、冗談を言ってあたしを落ち着かせようとしてくれる、玲さん。



「麗奈ちゃん?」


だけど、あたしの重い口はなかなか開いてはくれずに、ただ涙だけが流れようとしている。



「ほんとに、ケンカじゃないの…?」


玲さんのその問いかけに、あたしはただ首を縦に振って答える。


「じゃあ…どうしたの…?」

「っ…、玲さんっ…は…」



微かに動いたあたしの唇。あたしの言葉に、玲さんは優しく微笑みながら、相槌を打ってくれる。



もう、だめだ。耐えられそうにもない。
言ってしまわないと、パンクしそうだ。




あたしは、まずは真実さんのこと。そして、二人の関係のことを、玲さんに話すことに決めた。