「叫心!今日はみんなで打ち上げだな!」

「…みんな?」

小林君は嬉しそうにそう叫ぶ。叫心は「は?」と呟く。



「やだなー!叫心ったら!」


バシっと小林君がニヤニヤ笑いながら叫心の背中を思い切り叩く。


「い、いて!ってか、お前何も関係なくないか?」

「うーわ!叫心最低!俺がどんなに必死こいて応援してたかしってるか!?」

「知らねぇ!ていうか、知りたくもねぇ!」


二人はこのままにしておくと、永遠に言い合っているような気がして。

あたしは「はいはい!」と言いながらそれを遮った。



「麗奈?」

「叫心、小林君は本当に叫心のこと応援してたよ?」

「…」

叫心にそういうと、叫心は認めたくないのか、それとも嬉しくないのか。首を傾げる。


「もしかしたら、…あたしより…」

「え!?」


って、まあ…あたしよりすごいっていうのは、小林君の叫心への信頼…かな。


「最後まで小林君は叫心の勝利を信じてたもん」

「…」

「そーだぜ?高橋の言うとおり!」


鼻高々にそういう小林君。その顔はほんとに自慢げ。



「ったく…。しゃあねぇな!今日は三人で打ち上げでも行くか!」


「うん!パーッと盛り上がろうよ!」


「俺、ステーキ食いたい!」


「死ね!このバカ!」



やっと折れた叫心に、小林君は嬉しそうに抱きつき。そして、三人で仲良く話しながら体育館を後にした。