「叫~心っ、叫心?お、き、て?」
耳元で、微かに声がする。
だけど、こんな朝に。
しかも俺ん家なのに。
あいつがいる?
…そんなわけないよな。
「叫心!寂しいから早く起きて?」
身体を揺すられ、俺は微かに目を開けた。
そして、そこに見えたのは
俺の大事な小悪魔…
麗奈が微かに見えた。
「ん…、麗…奈?」
俺はまだ全然醒めない目をうっすら開け、起き上がろうとした。
…がその時…
「…麗奈って誰?」
低くて、暗い、キレ気味の男の声が確かにした。
「え…あ、兄っ…貴」
その声に驚いて飛び起きると、そこにいたのはエプロン姿にフライパンを持って立つ、兄貴の笹岡玲がいた。
「叫心、彼女出来たの?」
エプロン姿でフライパン片手に妖しく笑う兄貴。
やばい…、こいつにはバレたくなかったのに…!
「別にそんなんじゃねぇよ!」
「じゃ何?」
「…ま、漫画のしゅ、主人公だよ!萌え系のさっ!」
必死に隠そうとするけど、逆効果。
隠すどころか、どもったりしてバレバレだ。
「…まあ、またゆっくり聞いてあげるよ。今は早くご飯食べにおいで」
兄貴は物凄く楽しそうに笑って、俺の部屋から出て行った。
兄貴に、バレた…。
まじで最悪だし…!
ぜってぇ顔は教えないようにしねぇと…!
あいつ何するかわかんねぇからな…!
俺もベットから降りて、ゆっくりリビングへ向かって行った。