シュッ。カシャッ。

鋭利なものが氷を削る。

「璃子。いい感じよ。少し休みましょ」

「はーい。」

さすがに2時間ぶっ通しはきつい。

「璃子。昨日よりスピンの回転速度が速いしジャンプも

 高くていいわ。」

「ほんと?でもステップがな・・・」

私は少しステップが苦手なのだ。

「でも今日は今までで1番よかったよ。

 今日はもう終わりにしときましょ」

「うん。」

ふと時計を見ると1時を回っていた。

「里佳コーチ。ありがとうございました」

「うん。しっかり寝るのよ?」

里佳コーチ。本名は堂本里佳。

5年前からあたしに教えてくれている優しい先生。

「はあ。明日は塾かあ・・・」

そんなことを考えながら家に着いたのはAM2時30分。

それからお風呂に入って結局3時に寝た。


ジリリリリ・・・。ジリリリリリ・・・。

「ん?あ、あさ?」

AM6時30分起床。

まだ眠いけどしょうがない。

ピンポーン。

「はーーい」

勢いよくドアを開ける。

「いたっ!!!」

「あ。美緒!ごめん、大丈夫?ごめんよぉ・・」

「だ、大丈夫。それより早く学校・・・」

「うん。行こ!!」