「だ、だれでしょうか…知りません」


「オレ!浅野勇真!」


 浅野、勇真…あっ!


「ゆうくん!」


「おう、やっと思い出したか」


 ゆうくんこと、浅野勇真くんは幼なじみだった。


 『だった』ってゆうのは、ゆうくんは小学校4年生のころに、遠くに引っ越してしまったから。


 ……悲しかったな、


 結構泣いたんだよね。


 にしても、カッコ良くなったな。むかしじゃ、考えられなかったもの


「なに遠い目になってんだよ。クラス、行くぞ」


「うん」


 …あたしはこのとき気づけなかった。


 あたしを見ている、視線があったことに。