真山は開けかけたドアを勢いよく閉めると、あたしの腕をぐいっとひき、車に押し付けた。


「お嬢様、朝一緒におられた男性はだれですか?」


 あいだは数ミリほどしかなくて、押さえている力も強いため逃げ場を失った。


 思わず言葉も失う…だって、真山の目があまりに強くあたしの瞳をとらえたから。


「答えてください」


 苦しそうな顔をしながら言う真山。


 朝の男性…?


「あっ!もしかして、ゆうくんのこと?」


「ゆうくん?」