反射的にふりむくと、見慣れた黒のスーツに身を包んだ男の人...


 そう、真山がいた。


「びっくりしたぁ〜。とゆうか、なんでアンタがここにいんのよ?」


 そんなあたしの言葉をムシして、真山はゆうくんを睨んでいる。


「いきますよ。車を用意してあります」


「え!?あたしゆうくんと帰ろうと…」


 またもムシして腕を引かれる。


「あっ、え、ちょっ…」


 引きずられるようにして、ゆうくんから遠ざかっていってしまった。