「自分のことが分からないって本当かね?」








そう言いながら入って来たのは、




この病院の院長らしき人。







胸に『斎藤』とワッペンが付いている。









私が頷くと、斎藤さんは難しそうな顔をした。







「ここにいる人が誰かも分からないのかな?」








そう言って斎藤さんは、




女の人と隣にいた男の人を見た。