菜摘は弘人の胸ぐらを掴んだ。

「あんたが死ねばよかったのよ」

菜摘は荷物を持って帰った。

「弘人っ……。ごめんね。」

香奈はずっと謝ってた。

「俺、どうすりゃいいの…?
香奈を幸せになんてできないよ。」


香奈を幸せにする?

…――俺、香奈を幸せにする。

…――だから、もう会えない。

「弘人なら大丈夫だよ…。」

祐介は泣きながら弘人を
抱き締めた。

…――わかった。弘人なら
大丈夫だよ。応援してるね。

いろんな光景が頭をよぎる。
あたしに謝る香奈。あたしに
謝る弘人。あたしを励まして
くれる菜摘と祐介……。

そして……あの場所……。

……思い出した。


私はあの場所で死んだんだ。