第二の理由はーーー・・・


「はいってきていいわよ」

ざわざわざわっっ

可愛い、お人形さんみたいだわ、という声が聞こえる。

‥‥なーんだ、いくら違う土地にいったって、反応は同じか‥
そう、落胆する。

瞳は真っ黒でパッチリとした二重。
髪は墨を塗ったような黒。
日頃外にでていないせいなのか、真っ白な肌。
私はずっと、この容姿のせいで悩んできた。

勝手に逆恨みされ、いじめられたり、
クラスでういてしまったり。

「転入生の星山 葵ちゃんです!」

ざわざわざわっっ

再び教室中がどよめく。


星山財閥。
知らない者はいない、といっても過言ではない。
それぐらい権力をもっている、巨大企業集団。
有名な大手企業の御曹司も沢山いるこの学校でも、この権力を使えば支配することができるだろう。
ま、私はそんなことしないけど♡


‥‥というか、できない。

なぜなら‥

「さ、葵ちゃん、お名前と、軽く自己紹介してもらおっかな」
姿勢がいい、美人な先生は私を促した。
名前なら、さっきいったじゃん。
そんな考えをのみこんで、私は手を握りしめ、言った。