とよきに譲ってもらって、俺も先にシャワーをあびる

ズボンはほとんど濡れていないけれど、シャツが濡れているから……パンツ一枚でベッドの上に乗ると、ドライヤーでシャツを乾かした

とよきのポロシャツはすぐ乾きそう

ハンガーにかけてクーラーの風があたるところに干してある


……女達は、すぐに寝るのかな

とよきがあがってきたらあこに電話してもらおうと思ったけど、それよりも前にドアがノックされた

慌ててズボンを履いてドアをあけると。男モンのワイシャツを長くしたみたいなのを着てあことみさきが立っている

あこは髪を乾かしているのに、みさきは濡れたまま


「……みさき、なんで髪濡れてんの??」

と聞くと、あことみさきが口げんかし始めた

「あこが、さきに一人でこっちの部屋行くっていうから……」

「乾かしてからくればいーじゃん」

「だって、あこが、壁にかかってる絵の後ろにお札が貼ってあるって」

「ほんとに貼ってたもん」

「うそや!」

「うそじゃないって、見てきなよ」

「見ん!」

……ミン!って


あこはスタスタと入ってきて「やっぱ広いねツインは」と一つのベッドに座る

「この部屋のドライヤーで髪乾かしな、俺もうシャツ乾いたし」

いじけたような顔をしているみさきを招き入れると、俺がシャツをひろげていたベッドに座らせた

「もうアタシ、あの部屋に戻られへん……」

「どうせあこが怖がらせようとしてるんだって」

あこは持ってきたケータイを見ながら「じゃあ理一見てきな」と俺に言った


ドライヤーのスイッチを入れると、ベッドのはしっこに座るみさきの髪に温風をあてる

淡い茶色の髪がシャンプーの香りを発して舞った


それにしても……座っているあこもみさきも太ももがめっちゃ丸見えなんです


「ここのビジネスホテルのパジャマ、やけにセクシーだね」