雨宿りしてかれこれ30分以上

あこがケータイで電車運行状況を確認しているけれど、まだ再開していないらしい


「ハックシュン!!
なんか、今度は寒くなってきた……」

みさきは髪も服も濡れていてクーラーの風があたらないところを探している、あこもさっきから腕をしきりにさすっている


「やみそうにないな」

「移動するにも、また濡れるしね」

「家までじゃなくても、近くのファミレスまでタクシーに乗れば良かったな」

「うん、今更だけどね」


とよきはあこの腕をさわって温度を確かめている

「つめた……
ここビジネスホテルだし、部屋あるか聞いてくる」

ともう一つの自動ドアを通っていった


「こうゆうのってさ、じゃあ今日はもう帰るの諦めようって話に落ち着いたら雨がやんだりするねんな」

とみさきは震えながら笑っている

シャツとか貸してあげたいけど、これ脱ぐと俺上半身裸だし


あっという間にとよきは戻ってきた

「ツインの部屋は一部屋しかなくて、もう一つはシングルだって」

「アタシとモロなら、シングルでいけるよね」

「んじゃ、あこを抱き枕にして寝るわ」

「え?アタシがベッドでモロは床でしょ」

「なんでやねん」


「風邪ひくよりましだろ」と言ったとよきの後ろに続いてみんな入って行った


エレベーターの中で「アタシ早くシャワーあびて温まりたい」とあこが言うと

「アタシも」とみさきが言う

「アタシ先だからね」

「え?じゃあ5分であがってきてよ?」

「10分ね」
「5分」
「8分」

……ほんとに時間を計るつもりかっつの