さっきまでとは違う道を歩きながら、港周辺を歩く

涼しいとはいえ夜が更けてくると多少は疲れてきて、みんなもダラダラモード

「電車動くかな」

「動かなかったら朝まで外??」

「歩き続ければファミレスかカラオケくらいにはたどり着くんじゃない??」

みさきとあこはヒールを履いてるから歩き続けるには限界もあると思う

俺はケータイを取り出してGPS機能を使った


「あ、理一ナイスアイデア」

みさきとはもう手もつないでいない

あこととよきも手はつないでいないし、みんなぞろぞろ歩いてる


「ここからファミレスもカラオケも1キロ以上いけばある」

「1キロってけっこうな距離じゃない??」

みさきはすでに根をあげそうな声を出している

「うん、でも一番近くても……」といいかけると、ケータイの画面に水滴がついた

「雨?」

と言った瞬間にはケータイや体に打ち付ける雨粒が増える



「あそこで雨宿りするぞ」ととよきは少し先にあるビジネスホテルを指差してあこの手を取って走り出した


その間にもどんどんと雨脚が強くなる


「めっちゃ降ってきたやーん!」ってなぜかみさきのテンションがあがっている

「ありえない……」とあこのテンションはさがっている


降り出した雨は俺たちが雨宿りする場所にたどりつくまでにも容赦なく勢いを増して、髪はすっかり濡れてしまった

ビジネスホテルの入り口をくぐるとクーラーが効いていて、俺たちはすっかり上がってしまった息を整えた

二重の自動ドアになっていて、もう一つくぐらないとホテルのロビーに入ることにはならない

あこはハンカチを取り出して腕や服を拭いている

みさきは濡れた髪が気持ち悪いのか、まとめて持ち上げると首をパタパタしている


夏の雨って急だから……

厚い雲から落ちてくる雨はやむどころかどんどんとひどくなるようだった