そう言ってみさきは応答してしまう

……え~、帰ったんじゃないの~??

「え!うそ!!」とか「最悪やん~」とか言っているからみさきの顔を見ると、「ちょっと待って」と言って電話から耳を離した

「電車、人身事故で止まってるって」

「マジ?あこ達は??」

「今までブラブラしてたらしくて、まだここの駅にいるみたい」

みさきは再びケータイに耳を当てると「もうすぐ駅につくから合流しよ」と言ってしまった


せっかく二人を遠ざけたのに!!

マンションまでみんな一緒の道程じゃん


あ~あ~……

と脱力しながら駅の自動券売機で切符を買おうとすると、改札口の中からあこととよきが「ストップストップ!!」と声をかけてきた

駅員さんに払い戻しをしてもらって、二人が改札を出てくる


「どーしたん??」

「今の時点で90分遅れてて駅の人に運行のめど聞いたら、まだ再開できる状態にないってさ~」

「そうなん??じゃあ終電くらいにもう一回来たほうがいいってこと??」

「どうだろ、人身があったのがここの手前の駅でアタシ達が使う路線どんぴしゃだから、もしかしたら動かないかも」

「え~~っ!!どーするっ」

「タクシー??」

「クルージングディナーは招待やのに、そこでお金使うんいやや~」


「ま、電車が動くまでどっかで時間潰すしかないんじゃない??」


というとよきの一言で俺たちは駅を離れたけれど、元々港しかないような駅

ファミレスもなければ、カラオケもない


「また散歩??」


と四人で座れるところを探してさまようことになった