「あっれー!!理一めっちゃ普通に座ってるやん!!」

……見つけるの、おそ

さっきからずっとケータイでゲームしながら待ち続けていた、隠れずに

「あかん、ギブアップしよ、あこととよき見つけられへん」

「あ~~、もういいんじゃない??」

「なんで?放置すんの?」

「あの二人なら、帰ったと思うよ?」

「え~っっ!!放置されたのはアタシ?!」

「ま、いいじゃん、仲直りしたんだから仲良くしたいでしょ」


日中とは違う涼しい風が吹いてくる

周囲にネオンがないから、雲がなければ星が見えそう

停泊して揺れている船が静かなだけの風景にムードをプラスしている


「アタシ達もかえろっか」

「そうだね、俺待ちすぎて体かたまった」


とみさきに手を伸ばすと、ひっぱって立たせてくれた

そのままもちろん離さないで歩き始めると、さりげなく解こうとされて更にぎゅっと握った


「理一……誕生日やったのに、アタシ達と過ごしてて良かったん?
好きな子誘うチャンスやったんじゃないの??」

俺けっこうあからさまにアピールしてると思うんだけど、やっぱり伝わってない

「じゅうぶん充実した一日だったよ
とよきが仲直りできたし」

「うん」

「みさきがいじめられてるとこも見れたし」

「……ああ」

「あんな性格悪い女、はじめて見た」

「……そう?」

みさきの声がワントーン落ちたから、話題にしない方が良かったか……と後悔

「髪アップにしてた子の彼氏と一緒に遊んだりしてたから、アタシの事嫌ってるねん」

「ふ~ん……」

なんとなくみさきの中学時代って想像がつかない