「龍一にはメールがくるのに、なんで俺には送ってこないんだー!って言ってたよな、理一」


……めっちゃバレてる


「理一って呼ぶな、理一兄ちゃんだろ」

ちょっとだけ威厳を保とうとがんばるけど、あんまり意味ないっぽい


「わ、これおいし~い」

みさきはいくらがたくさんのったチラシ寿司を食べて感激して「アタシもこんなん作れるようになりた~い」と嘆いた

「こんなの簡単よ
いつでも教えてあげるわよ?」

「え?ほんまですか??」

「もちろん」


みさきが“おいしいおいしい”っていうからどんなもんだと思いきや、食べなれた味


「みさきは料理の勉強するんだって
今日、どんだけ買い物につき合わされたか」


と俺が言うと、母さんはポンと手を叩いてものすごく素敵な提案をした


「一緒に作りましょう!
教えてあげるから!!」

「え……でも、そんな料理教室でもないのに」

「気にしないでよ~
娘と一緒に料理するの夢だったんだから~」

……もうすっかり“娘”になってる……

でもみさきが俺の家に来てくれるなら大賛成


「こう言ってるんだし、教えてもらえば??」

「うーーん、でも……」


みさきが渋っていると、龍一が「俺との約束はちゃんと覚えてる??」と切り出した


「覚えてるよ、身長何センチなった??」

「日々成長中」

「よしっ!背-くらべしよ!」