地元の駅に着くと、クリスマスモードが一気に薄れていく

「寒い……」

と歩きながら呟くと、ふとマフラーのことを思い出す

「とよき、マフラー使っていい?」

「使えば??」

……とよきのいつもと変わらない感じに、安心感と……なんとなく脱力感

アタシのクリスマスイブを予約とか言うから、それなりにおしゃれしてきたけどノーコメントだし

ってゆうか、とよきにコメントを求めるほうが間違ってるんだけど


紙袋を開けてクリスマスラッピングを解きマフラーを取り出すと、振り返ったとよきがそれを奪ってタグを歯で切り取って、アタシの首にひっかけた


「今日は、理一とナルから解放されて息抜きできましたか??」

とマフラーをぐるぐるに巻きながら、とよきを見た

「静かだな、あいつらがいないと」

「だよね、アタシは学校が分かれたからまだマシだけど、とよきは毎日だもんね」

「ま、あいつらから解放されたいなんてのはただの口実だけど」

「口実??」


人ひとり分くらい離れて歩くとよきが「お前、また彼氏つくんの?」と聞いてきた

「別に……特に、考えてないけど」

沈黙の間隔を測るように、ブーツのかかとがアスファルトを鳴らす

1 2 3 4 5……

「とよきこそ、合コンに行ってる割には……彼女作らないね
昨日もそうだったんでしょ?」

「……ん、まあ」

「ナルと理一も?」

「理一は、途中参加」

「あっそ」

そこまで細かいことはどーでもいい


「昨日の子達はさァ……ちょっと引いたな」

「なんで?」

「……援助交際しまくってて、しかも男が全部金出して当たり前って態度だったからさ」

「……フフッ」