MJは肩に触れるくらい伸びた直毛の黒髪を耳にかけて、鋭い視線を送ってきた

「いるわよ、本当のあこを見せても嫌わない人が」

「いるのかね?」

「いるわよ、まずモロと私がそーじゃない」


アタシより身長が低いくせに、態度と口調だけは身長2メートル級のMJをギュっ!と抱きしめた


「ね、MJ……気分転換に髪の色変えない?」

「一人で気分転換してくれない??」

「そー言わないでさ、ね?お願い!いこーよぉ」


MJを強制連行してそのまま美容院へ


アタシは思い切った茶髪に、MJはナチュラルブラウンに変化した髪色

それだけで一気に制服まで違って見えるから、気分があがる


センターパーツだったMJの髪を、美容師さんがサイドパーツに分けてブローしたから、今風な髪型になってめちゃくちゃかわいい!


「MJ!めっちゃいいじゃん!これからサイドで分けなよ~~」

「すごく違和感があるわ……」

「すぐ慣れるって!かわいい~」


妖艶というよりは、おどろおどろしさがあったMJの雰囲気が髪型だけで柔らかくなる


“ねね、S女~??
俺らと一緒にカラオケ行かな~い??”


背後から聞こえる声を聞こえない振りして、ケータイをMJに見せた


「写メ撮っていい?モロに送りたい」


「俺の写メもみさきに送ってよ」


…………

振り返ると、学ランの下に派手なパーカーを着たナルが「ヤホッ!」と両手でピースサインを出していた