「こんなにいさぎよく引かれると、俺……忘れられないかも」

「……忘れないでよ」


彼の手がアタシを抱く力を少し弱めたから、目線を彼に上げると、優しい視線が降ってくる

瞳の色がきれすぎて、流れ星みたい


「ずっと俺の事スキでいてくれる?」

「……もちろん」


今、別れ話をしているのか、それとも最大の愛の告白をしているのか

どっちだったっけ??


彼が首を傾げると、背後の月が隠れてしまう


「じゃあ……最後のエッチしようか」


……男って

わき腹をつねると彼が体をよじった


「じゃあ、最後のチューで」


……それくらいなら、まあ、いい……けど

と考えた間が、OKのサインみたいなもので

一瞬であごを持ち上げられるとチュッと唇が重なった


「まだ……俺のだよね?」


のセリフの後、もう一度触れる唇

強張っていた体の力が抜けていってしまう

それを感じ取った彼がアタシのお尻に手を置いたから……


アタシはまた彼のわき腹をつねった