「悠太と昂太の言い争い、途中―――というか、ほとんど最初から記されてないよー?むしろ『・・・』で簡略化されてたよー」



「――――えぇ!」



―――――…慎司くん?!そ、それはタブーではっ?!



「だから慎司、それは言ったらまずいんだって…」



一輝は頭を抱えて大きなため息をついた。



「大丈ー夫。これ、本編じゃないから支障はないでしょ?」



―――――…だぁぁ!それも言っちゃだめでしょ?!

というか、そういう問題じゃないよね?!



薫の心の中のツッコミに気付いたかのように、慎司は片目を瞑り、人差し指を口にあてて微笑んだ。


「いいよね?」



誘惑したような甘い声を薫に紡いだ。


微かに頬を赤らめた薫は慎司をじっと見て呟く。



「き…キラースマイル、だね」



その言葉に慎司はニコッと笑った。


薫は警戒しながら慎司を見つめた。



「あぁー!薫から離れろ、慎司っ!」



二人の行動に気付いた悠太が薫を引き寄せて、慎司から遠ざけた。



「…惜しいっ!」



「何がだよ…」



「あと五秒で落とせると思ったのにな、はーと!………あれ、記号変換されない?」


「だからそれを言うなぁっ!」