慎司が言うと、改めて薫を見た。
「それにしても薫ちゃん、さっきは本当に綺麗だったよ。なんか、悠太の花嫁であるのがもったいないくらい…」
口は笑っているのに、目はまったく笑っていなかった。
薫にはそれが妙に悲しく感じた。
「おい、慎司もどさくさに紛れて薫を口説くなって！」
「え、それはないよ悠太。……ねぇ、慎司くん…？」
薫は悠太を制してから慎司に振り返った。
慎司はなんとも意味深な顔をして
「さあ、どーだろーねー？」
と悠太を挑発する態度で目配せした。
「なんだ、みんな薫ちゃんを口説いて……――――俺も口説いた方が…」
「いらないからっ！」
悠太は一輝が言い終わる前に制した。
冗談だ、と一輝は笑っていたが、悠太は警戒を解かなかった。
「つか、帰れよ！いつまでここにいるつもりだ」
「薫さんが俺に振り向いてくれるまでだー！」
「一生ここにいろっ！」
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―――――…い、いつまで続くのかな？
言い争いは絶えることなく続いていた。むしろ、薫には二人が楽しんでいるようなさえ気がしてならない。
