『私達同じクラスじゃん!これからもよろしくね』
手を出して握手をしようとする君。
でも俺はどうしてもその手が握れなかった。
だって君の手を握ったらそのまま抱きしめたくなるから……
なんて、気持ち悪いよな。
俺は手を出しているお前に笑って…
『よろしく』
と言った。
君は握手をしなかったせいかちょっと落ち込んでいたな。
あの時はごめんな。
今さら後悔したって意味がない……。
分かっているけど最近はやたらと後悔ばかりしている。
どうしてあの時 お前を泣かせたんだろう?とか。
あの時お前の欲しかったのを買ってやればよかった、とか……。
どれもしょうもない事ばかりだけど、
俺にとってはものすごく大きな事だと感じる。
だから思う。
あいつは天国でも笑っているのかな?
俺をちゃんと見守ってるかな?
だれか好きな奴でもできたのかな?とか
ま、あいつの事だから1日じゅう寝てるんじゃないかな。
そう1人で考えてたら笑ってしまった。
あいつとの日々めちゃくちゃめんどくさかったけど、
良い思い出しかないな。
『翔ーーーー!!!』
「彩香・・・」
『もーやっと見つけた!;;めちゃくちゃ探したんだからね!』
「わりぃ、わりぃ;;」
『もう!メールも電話もしたのに、きずかなかったの!?』
「友達と話してたから聞こえなかった」
『翔ったら!私の事どう思ってるのよ!』
「え!?;;・・・・・・・・・・」
『ねぇ!』
「・・・・・愛してるよ・・・」
「・・・・っ!!///////そっそれならいいわ・・・。
許してあげる」
彩香は自分の嫌な事が起こったら必ず俺の所に来る。
そして、さんざん俺に怒りをぶちまけてさっさと教室に帰っていく
「・・・そういう性格治した方がいいよ」
『ん?なんか言った!?』
「いぇ、別に・・・。それより、なんだよ?俺に用があったんだろ?」
『あっそうだった!!見て驚かないでねー!!』
「あぁ、なんだよ?」
『じゃじゃーーーーーん!!!』
「だーーーーーーーーーー!!!!!」
『もう見て驚かないで!って言ったのに・・・』
彩香が持っていたのは俺の大っっっっ嫌いな『バナナ』だった!
「なんでそんなもん持ってくるんだよ!!!」
『だってー翔の好き嫌いをなくそうと思ってー』
「余計なお世話だ!!とにかく早くどっかやれ!」
『分かった―・・・。じゃあ教室に置いてくるー』
ってか『あんなもん』教室に置いてたら教室中くさくなるだろ・・・
そういう事考えてない彩香はけっこー好き?なのかな・・・・
何分かたって彩香が走ってもどってきた
『ごめん、遅くなった;;』
「別にいいんだけど、ちょっと離れてくれない?」
『えっ!?なんで!?;;』
「その・・・バナナ臭いから・・・」
俺は小さい頃からなぜかバナナが嫌いだ・・・
なんなんだろう・・・
あの匂いと触感が苦手だ・・・・
『ちょっとそれひどくない!?』
彩香は怒って俺に近寄って来る
「ちょっ待っ・・・;;近寄るな;」
『ムスーーーーーーーー』
怒ってるのは分かるんだが、バナナ臭くて近寄れない!
嗅いでいるだけで吐きそうだ・・・・うっ・・・・
『もう翔なんか知らない!!!』
「あっ待てよ!彩っ、うぇっ・・・・」
彩香を追いかけたいがなかなか1歩が踏めない
そんな事をしてるうちに彩香は少しずつ遠くなって行く
『早く追いかけなきゃ・・・っでも気持ちわる・・・』
いろんな事がいっぺんに来たせいか俺はその場に我慢できずにうずくまった。
「あっあのー。大丈夫ですか?;」
頭上から声がしたから上を向いて見ると彩香の友達の涼がいた。
「あー大丈夫。ちょっと立ちくらみがしただけだから」
そういって立ち上がろうしたけど足が思うように動かない
ったく俺はどんだけバナナが嫌いなんだよ・・・
「あの!手貸しましょうか?」
「ごめんな・・・」
涼が左手を出して俺を立ち上がらせてくれる
「わりぃな・・・」
「そんな!;;私はただ単に困ってる人を助けただけです;」
「ははっ・・・優しいんだな」
「そっそんな!!/////////」
「涼!!」
「あっ隼人・・・」
「お前 何してんだよ!」
「えっと、翔くんがそこでうずくまってたから声をかけてたの」
「ふーん・・・とにかくもう行くぞ」
「うっうん;;」
隼人という奴は俺の事がたぶん嫌いだ・・・
いや、絶対嫌いだ!
なんでかって?そんな事分からない。
っでも たぶん涼と仲がいいからだ・・・
っといっても女友達みたいなものだし、
なんせ俺には彼女がいるしな!
また考えだしたら気持ち悪くなりそうだったから
もう考えるのをやめた。
「はぁ・・・今日はなんでこんな最悪なんだろう」
とりあえず保健室に行こう
「・・・・・・・ぅぇ」
その後、足元がゆらつきながらも保健室にたどりついた。
「・・・・はぁ・・・やっと着いた」
ガチャッ
「せんせぇー・・・。ちょっと休ませて下さーい」
「はぁーい。あら!どうしたの!?翔くんが珍しい!」
「いやぁー、ちょっと気持ち悪くて・・・」
「あぁそうなの!;;じゃあちょっと待って!毛布をひいてあげるから!」
「ありがとうございます・・・」
先生はそういうとクローゼットから毛布を出し、
ベットに掛け始めた。
「せんせー、もうそれでいいですから早くー」
「はいはい;;あと少し・・・」
先生は毛布の端をバンッっと叩きこっちに来た。
「翔くん毛布ひいたから良いわよ」
「ありがとうございます・・・・」
俺は死んだかのようにバタンッという音を出しながら
ベットに倒れた。
「・・・・ぅあー・・」
「そうとうきつそうね。なんかあったの?」
「いぇー別にー」
「そう。じゃあゆっくり寝てなさいよ。先生はちょっと職員室に行ってるから」
「ぅぃー」
俺はてきとーに返事をして毛布にくるまった
『はぁ・・・彩香。怒ってるかな・・・』
考えているとだんだん眠くなってきてきずいた時にはもう寝ていた。
夢の中では彩香と一緒に遊園地に行っている夢を見た
一緒にジェットコースターにのったり、お化け屋敷に入ったり
ソフトクリームをたべたり・・・・。
とにかく幸せな夢を見ていた
その時、誰かの声が聞こえた
『翔!!翔!!』
「・・・・・・・・・」
『翔ってば!』
「・・・・・・・・・・」
『早く起きんか!!』
ドスッ!!!
「ぐぇっ!!!!」
『あっ起きたー☆』
「『あっ起きたー』じゃねーよ!!いきなり腹に乗るなよ!
一瞬 息ができなかったぞ!」
『だって翔が起きないのが悪いんじゃん!!』
「悪いんじゃん!って・・・・そりゃ起きね―だろ。」
『なんで?』
「なんでって・・・
そりゃあ、お前が俺にバナナを見せたからに決まってるだろ!!」
『だって、まさかあんな事になるとは思わなくて・・・』
ごにょごにょと下を向きながら良いわけを作っている彩香。
「もういいよ・・・」
『怒ってる?』
「当たり前だろ・・・・」
『ぅっ!!;;ごっごめんね・・・』
こういう素直になった彩香って可愛いなぁー////////
俺はたぶん、いや絶対に今 鼻の下がのびてるな・・・。
「ぶふっ・・・・」
『っ!ちょっ何笑ってんのよ―!!!』
「別に・・・・ふふっ」
こういう感じになるとすぐ彩香の事を許してしまう。
まぁ、いいか。
「なぁ彩香ー、」
『ん?なに?』
ベットから降りて目の前のソファに座る彩香。
「お前の誕生日っていつだっけ?」
『ん?7月30日だよ☆なに?プレゼントくれるの??』
「べっ別に!;;聞いただけだろ!勘違いすんな!」
『そんなムキにならなくてもいいじゃないー』
「ふっふん・・・」
7月30日か・・・。あと少しじゃねーか;;
やばい!急いでプレゼント買わなきゃ;;
女って何が嬉しいのか!?;;
どんなのをもらったら嬉しいんだ!?;;
ぅあーーーー!!!ゎからね―!!!
「うーん・・・・」
『どうしたの?;考えこんじゃってー』
「べっ別に;;」
とにかく誰かに相談でもしてみっか!!!
「よし、彩香。帰るぞ!」
『えっ!?どこに!?』
「教室にだろw」
『あっそうか!そうだ、そうだ』
こいつはどこに帰ろうと思ったんだ?
顔を赤くして・・・・
変なの。
「じゃあまた」
『あっねぇ!翔!!』
「ん?なに?」
『今日は一緒に帰れる?』
「ん、あぁ・・・たぶん大丈夫だと思うよ」
『そっかぁー☆やった♡じゃあ今日は一緒に帰ろうね☆』
「はいはい」
彩香は俺が禁止でアルバイトをしていることを知っている。
いつもはメールでやりとりをしてるけど
今日は久しぶりに話した。
アルバイトの時間はいつも学校が終わったと同時に
行かなきゃ間に合わない時間だからだ。
「久々だなー・・・彩香と帰るの」
キーン コーン カーン コーン
「あっやべっ!授業が始まった;;」
その後 俺は案の定 授業に遅刻して先生に
怒られた。
っでも、今日はそんなんでくじけたりはしなかった。
だって、今日は彩香と帰る日だからな♡
授業中、何を話そうかなーとか手をつなごうかなーとか
とにかくいろんなことを想像していた。