我慢できなくなった俺は、
思い切って彼女に声をかけたんだ。




拓海 ねぇ花森っ


そう呼ぶとやっと目が合う。


やべ…!


目が合った瞬間、体が動かなくなる。


近くでみるとさらに可愛い。



言葉を詰まらせていると
彼女はあっちを向いてしまった。


そのとき微かに香った石鹸なのかシャンプーなのか香水なのか、
その香りに胸が跳ね上がった。




俺はくだらないことでよく彼女に声をかけた。


けど、そのたびに彼女の顔が曇る。彼女から返事がくるのは滅多にない。



俺は嫌われているのか?



そう思ったけど別に気にならなかった。