拓海 一つ聞いていい…?
美桜 ……ん
拓海 雨の日の放課後…、俺が初めて美桜を見つけた日。雨に向かって泣いてたのは、どうして…?
美桜が驚いたように目を丸くする。
美桜 ――…
拓海 ……ずっと前から気になってた
美桜 …雨。
…?
美桜 雨が苦手なの―…。辛い思い出が蘇る。怖くて、孤独と不安に押し潰されそうになる
拓海 ―――……そっか。だったら美桜…、一人で泣かないで
俺んとこにおいで
俺はいつでも、美桜の味方だし
ずっと美桜を守る
俺には隠さないで泣いてほしい
言葉はうまくいえないけど
……受け止めるから
美桜 ――…うん
美桜は嬉しそうに
ほっとした笑顔で笑った。