「お、三谷は勉強頑張ってんのか?」
教室のドアが開いて、倖田先生が入ってきた。
正直…邪魔。なんて言っちゃだめだよね。
「七岡。ちょっといいか?」
そう言われて教室の外に出て、教室から離れる。
しばらくした所で先生は立ち止った。
「これさ、七岡のだろ?」
そう言って差し出されたのは私のノート。
三谷くんの行動をメモしたもの。
「先生、これ…どこで?というかなんで私のって…名前書いてないのに」
「悪い。持ち主を判断するのに中身確認させてもらった。“三谷くんと一緒に勉強会”って書いてあったから、もしかしてと思って」
ということは…先生にバレちゃったんだ…!どうしよう…!
「せ、先生…!あの、これが悪いことだっていうのは、分かってます!なので、三谷くんには内緒にしておいてください!」
私はノートを抱きしめたまま、深く礼をした。
先生は困った様子で、頬をポリポリとかいていた。
「何が内緒なんだ?」
後ろから、三谷くんの声がした。