「あ、美咲か。いやぁ、今日の式典で疲れてさ。だからまったり休憩中ー。あ、あとみんなの財布の警備中ー」

「あー、確かに疲れたわ。つーか着物の着付けは最悪。朝早いっつーの」

軽く笑いあった後、去っていく“知り合い”の後は追わない。

ただあたしは笑顔で手を振って、そのまま相手を送り出すだけ。

そしてまたあたしは一人、コップに残っていた酒を煽った。






   ◇ ◆ ◇






家に着いて、着ていたコートを脱ぎ捨てて、そのままベッドに倒れこむ。


疲れた。
ホントーに疲れた。

時間はまだ10時過ぎ。
これから二次会があるらしいけど、あたしはすぐに帰ってきた。
理由は明日学校があるから。

そんなに早くない学校だし、“知り合い”に言えば、別に遅刻したって大丈夫。
だから理由になってないのは一番自分でも分かってるんだけど。

だって。
面倒くさいじゃんか。
○○ちゃん、久しぶり!とか、
変わってないねー!とか。


だからこうやって帰ってきたあたしは、まだまだ眠る予定もなく、こうして意味もなく倒れこんだ。