「──へぇ。そりゃよかったね」

「どこがッ! オレ、二週間前にふられたって言ったんだぞ!」

「いいじゃんか。あたし、すでに彼氏いない歴=年齢なんだから。いた、っていう事実が存在するだけで十分。で? やることはやってたの?」

「……中学生男子か、お前は」


はぁ、と息を吐く片岡に、あたしは小さく笑う。

いいじゃんか。
気になるものは気になるんだから。
そーいう経験が全くないあたしにとって、それは興味の対象。
大学生で付き合ってたなら、そーいう行為もあるはずじゃんか。


「……黙秘する」

「何照れてんだよ、気持ち悪い。あんたこそ中学生?」

「あのなぁ。なんでそんな話、同い年の女に、しかも病院で話さなきゃなんないんだよ」

「暇潰しに」

「だからなぁ……」


呆れたように言う片岡に、あたしは小さく笑う。