「それは松下の都合。オレとしてみれば、いきなしの帰省で予定もほぼキャンセル。そのせいで、この真っ昼間はみんなバイトでいないし、会うとしたら夜しかねーんだよ。だから暇なわけ。名目上は母さんの見舞いだから、ほぼ毎日来るぜ?」

「来ればいいじゃんか。あたしの存在は完璧に無視して」

「だからそれはお前の都合。オレは毎日、この検査の時間、一人で過ごすのがイヤなんだ」

「ゲームでもなんでもすりゃいいだろーが」


はぁ、とあたしは息を吐く。
多分、無理なのは分かってる。

こういうヤツは、自分が決めたことは、よっぽどのことがなきゃ覆さない。

だから、いくらあたしが言っても無駄なのは分かってる。

だから言わない、とは違うけど。


「……明日からこの時間は寝て過ごすことにする」

「大丈夫。オレ、起きるまで待つから」


……なんで、ほぼ初対面のヤツにんなこと言うんだ、コイツは。