「ちょっと、村上君!?」


「正直に言うから、今は絶対に俺の顔を見るなっ!!」


村上君は、顔を上げようとした私の頭をさらに強く自分の胸元に押し当て、苛立ったような声を発した。


「わ、わかったわよ! で、でも、苦しいんだけど……」


息苦しさに耐えながら訴えてみても、村上君は手の力を緩めてくれなくて……。


仕方なく大人しくしていると、彼が深いため息をついた。


「……だよ」


「なに?」


村上君の声が聞き取れなくて訊き返すと、彼はチッと舌打ちをした。