「切っても良かったの……?」


「あぁ」


控えめに尋ねた私に、村上君がため息混じりに答えた。


「でも……」


「せっかく沙耶が彼女になったのに、ワガママな妹の買い物になんて付き合ってられるか」


サラリと零された“彼女”って言葉に緩んだ頬を隠すように、ほんの少しだけ俯く。


「今の……妹さんだったの? え? じゃあ、もしかして昨日の電話も……」


「そう、あいつ。買い物に行く時は荷物持ちが欲しいからって、すぐに俺を使おうとするんだよ……」