待って……!


その言葉を声にする前に、村上君が真剣な表情で口を開いた。


「言っておくけど、もう待てないからな。こっちはお前にまんまと騙されて、バカみたいに妬いてたんだぞ? そのお詫びとして、これからたっぷりと楽しませて貰うから」


「そ、そんな……」


恥ずかしさの中に小さな不安が芽生えて、その戸惑いが自分の顔に出たのがわかった。


だけど──。


「そんな顔してもダメ」


村上君はキッパリと言って、口元をほんの少しだけ緩めて意味深に微笑んだ。