「うゎ~さみぃ…ポッケかして」

―。

今は、冬…。
12月3日の話。


「お疲れさまでした。」

部活が終わった。
今の時間は5時30分

「やっと部活終わった~」
「疲れたね…」

李緒(りお)と有栖(ありす)
が話していた。
2人は、バスケ部でクラスも一緒。
小学校からの親友だ。


「ありすぅ早く帰ろ~」
「うん。まって。」

「有栖見て!雪だよ!」

「あたし傘持ってきてないよ…」

今日の天気予報は、ずっとくもり…
のはずが雪が降ってきた。


「ん!使えば?」

傘を出してきたのは、あまり人と関わりを持たない快斗(かいと)だった。

「えッ…でも…」
有栖は困った顔をした。


「友達も一緒なんだろ?」
そう言って快斗は、走り去っていった。

「うゎ~成見くんじゃん。あの人あんまり人と関わり持たない人だよ…でも、そこがいいっていう人いるんだよね~結構人気あるらしいし。」

「へ~」
ちょっと気になった。


―。
「成見 快斗か…」
自分の部屋で今日のことを考えてみた。

『結構人気あるらしいよ。』
李緒が言ったあの言葉が胸にささった。

「なんだろうこのキモチ…もやもやする…」

~♪***♪~
携帯の着信がなった。
メールだ。

「あ。李緒からだ。」

『今日は、大変だったね…
くもりのはずが雪降ったし…
でも、傘かしてくれてよかったね。』


李緒に返事を返し寝た。
翌朝…

12月4日の話

今日は、金曜日。だけど3時間で終わる。
明日がテストだから。

「李緒~明日テストだよ…」
「やだね~今日、一緒に勉強しない?」

「今日…ピアノだ…ごめんね。」
「あっ…今日金曜日かぁ~ぢゃー部活休むよね?」

「うん…」
有栖は、悲しい顔をした。

「部長さんに言っとくね!」

「ありがと。」
金曜日は、ピアノのレッスンがある。
だから、部活を休む。


―。
ピアノの先生の家は、有栖の家から歩いて30分ぐらいで、自転車では、約13~15分ぐらいの距離だ。

「あと10分でレッスンはじまっちゃうよ…」

力いっぱい自転車のペダルをこいだ。

「間に合った。」
自転車を指示されている駐輪場に止めて急いだ。

―。

「はい。今日は、ここまで。いっぱい練習したのかなぁ?前よりできてるよ。じゃー次の課題ね。」
先生は、有栖を誉めた。

『あたし、あんまり練習してないけど…』
心の中で答えた。

「ありがとうございました。」
靴をはき、でようとドアノブに手をかけようとした。
でも、先に玄関のドアが開いた。

「ただいま」
玄関の前にいたのは、あの成見 快斗だった。

「どうしているの?」
有栖は、首を傾げた。

「どうしてって…ここ、俺んち…」

「えッ…」
有栖は、びっくりした。

そこに先生がきた。
「有栖ちゃん!忘れ物…」

先生が立ち止まった。
「あら、快斗帰ってきたんだ。」

「うん。ただいま」
そう言って快斗は、2階に上がった。

「ごめんなさいねぇー快斗ったら…」
腕を組みながら先生はため息をついた。

「あはははは…じゃーあたし帰りますね。」

翌朝…

12月5日

テストの日

1時間目→国語
2時間目→数学
3時間目→英語

今は、3時間目の英語だ。

『mastは、~しなければならないだから…』
し~んとなっている。
ただ、時を刻む時計の針の音がなっているだけだ。


「はい。そこまで!名前の順に持ってきて。」
試験監督の七瀬先生が言った。

「やっと、終わった。」

「有栖、今日、一緒に帰ろ?」
有栖の後ろから顔をだして李緒が言った。

「ごめん…今日は、用事かあって…」

「そっか…ぢゃーまたね。ばいばい」
李緒かは、帰った。

みんなが次々に帰っていった。
そして、有栖と快斗だけが残った。

「話ってなに?」
最初に声をかけたのは有栖だった。

「うん…えっと…」
快斗が近づいてきた。

「俺、あんたのことずっと好きだった。」

「えッ…」
有栖は、驚きと嬉しさで涙がでた。

「あたしも…好き。」

「よかった。」
快斗は、ほっとため息をついた。

「ぢゃー帰ろっか。」
2人の他には、生徒は誰もいない…

「寒いね…」

「そうだな!」


昇降口につき、靴をはき変えた。
外は、雪が降っていた。

「うゎ~さみぃ…ポッケかして」
快斗が有栖のコートのポケットに手を突っ込んだ。

「有栖も手入れな!」
無理やり手を引っ張られた。

「あたたかい。」

「有栖、手冷たい…」

「あっ…ごめん…」

「有栖、可愛い。」

12月は、毎日こんな感じで
ポッケに手を突っ込んで2人で帰った。


終わり

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